エーザイは11月29日、認知症治療薬「アリセプト」(一般名:ドネペジル塩酸塩)の効能・効果のうち「レビー小体型認知症(DLB)における認知症症状の進行抑制」に関する再審査で「カテゴリー2」となったことを受け、DLBに使用する場合の用法・用量の一部変更を申請し、同日付で承認されたと発表した。
アリセプトの再審査結果は10月28日の薬食審医薬品第一部会に報告。①DLBに対する有効性と安全性を評価する製造販売後臨床試験において主要評価項目の「CIBIC-plus総合評価」(臨床症状を総合的に評価する指標)でプラセボと比較して有意差が認められなかった、②一方で、アリセプトの投与で有効性が期待できる患者は一定数存在している─などを理由に、承認事項を一部変更すれば引き続き使用を認める「カテゴリー2」とすることが確認された。
再審査結果を踏まえ、DLB適応に関する用法・用量(下欄参照)に「投与開始12週間後までを目安に、認知機能検査、患者・家族・介護者から自他覚症状の聴取等による有効性評価を行い、認知機能、精神症状・行動障害、日常生活動作等を総合的に評価してベネフィットがリスクを上回ると判断できない場合は、投与を中止する。投与開始12週間後までの有効性評価の結果に基づき投与継続を判断した場合であっても、定期的に有効性評価を行い、投与継続の可否を判断する」との文言が追加された。
「アリセプト」のDLB適応に関する用法・用量
1日1回3mgから開始、1〜2週間後に5mgに増量し、経口投与する。5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。症状により5mgまで減量できる