厚生労働省は、2023年4月から始まるレセプトの返戻再請求のオンライン化の経過措置を記載した通知を1月23日付で都道府県担当部局などに送付した。やむを得ない理由でオンライン化に間に合わない場合は、3月末までに社会保険診療報酬支払基金にその事由を届け出ることで、従来通りの紙媒体による返戻再請求を認める。
レセプトのオンライン請求に対応した医療機関が23年4月1日以降に行う返戻再請求は、診療年月を問わず、原則、オンラインで手続きすることが求められる。対象医療機関では、オンライン請求用端末からオンライン請求システムにログインした際のトップ画面で、審査支払機関から返戻されたレセプトがないかを確認。返戻レセプトがある場合は、▶返戻レセプトデータをレセコンに取り込んで再請求用のレセプトデータ(再請求データ)を作成、▶再請求データをオンライン請求用端末に読み込み、当月請求のレセプトと一緒にオンライン請求システムに送信―という手順で、返戻請求を行うことになる。
今回の通知で厚労省は、オンライン化に間に合わなかった場合の経過措置を示した。それによると対象は、(1)システム事業者に必要なシステム改修を依頼済みだが、23年4月からの対応が困難、(2)23年度中に廃止・休止を行う予定もしくは改修工事中・臨時の施設、または23年度中に解散・合併消滅する予定の施設、(3)その他やむを得ない事情がある―のいずれかに該当する場合。23年3月末までに支払基金にこれらの事由に該当する旨の届出を行えば、紙媒体による返戻再請求の実施が可能になる。ただし、(1)に該当する場合は、オンライン化の開始予定時期の報告も求められる。
審査支払機関からは当面、紙媒体とデータの両方でレセプト返戻が行われるが、オンライン請求対応医療機関への紙返戻は24年9月末で廃止。これと同時に今回の経過措置も廃止する。
なお、オンライン請求システムからダウンロードできる返戻レセプトデータは直近3カ月分のみ。このため23年4月からオンライン対応を開始する医療機関では、22年12月以前の分をオンラインで再請求できない可能性がある。この場合の対応について厚労省は1月23日付の事務連絡で、従来通り紙媒体で返戻請求を行って差し支えないとの取扱いを示している。