東京都医師会は14日の定例会見で、災害・パンデミックに対応した常設の臨時医療施設(サージキャパシティー)の設置を提案した。今後、関係方面に働きかけていく方針だ。
会見の冒頭で尾崎治夫会長は、ポストコロナ社会における医療提供体制について説明。地球温暖化や生物多様性の喪失により、自然災害や人獣共通感染症のリスクが高まっていると指摘した上で、「東京は人口減少がなく高齢化が進み、大災害やパンデミックが襲うと、医療はもちろん東京全体が崩壊してしまう。そうしたことを想定した臨時医療施設が必要」とその設置の意義を強調した。
続いて猪口正孝副会長は、現在の災害拠点病院について、「入院患者がいるため、災害が発生した場合はロビーで患者を診るしかない」と問題点を指摘。このため臨時医療施設は1000床規模として、平時は空床とすることを提案。平時は世界トップレベルのシミュレーショントレーニングセンターとして、都内の病院職員があらかじめ訓練を行うという。空床のため、有事には傷病者と病院のマッチングの必要がなく速やかな受け入れが可能となり、受け入れ後のトリアージ機能や都内医療機関に振り分ける調整機能も持たせることができると説明した。