厚生労働省は4月11日、「紹介受診重点医療機関」(重点医療機関)についてわかりやすく説明した一般向けの啓発ポスターやリーフレットを作成してホームページに掲載するとともに、都道府県に関係機関や団体への周知を求める事務連絡を発出した。
リーフレットは、重点医療機関を「かかりつけ医からの紹介状を持って受診いただくことに重点をおいた医療機関です」と定義。その役割については、「手術・処置や化学療法等を必要とする外来」や「放射線治療等の高額な医療機器・設備を必要とする外来」を担う医療機関であることを説明している。
「上手な医療のかかり方」として、かかりつけの医療機関からの紹介状を持って重点医療機関を受診するまでの基本的な流れも解説した。具体的には、なんらかの症状がある場合や日常の体調管理についての相談がある場合は、まず「かかりつけの医療機関」を受診することが原則であることを強調。かかりつけの医療機関が、専門的な検査や治療が必要と判断した場合は紹介状が発行されるため、重点医療機関にはその紹介状を持って受診するよう促している。
重点医療機関での専門的な検査や治療を終えた後は、再び元のかかりつけの医療機関への逆紹介を受け、経過観察を行うことも記載。こうした専門的医療を担う重点医療機関と、日常的な診療を担うかかりつけの医療機関との役割分担は、患者にとっても適切な検査や治療をよりスムーズに受けられることや、待ち時間が短縮されるといったメリットがあることを併せて示した。
重点医療機関のうち、一般病床200床以上の医療機関は受診時定額負担の対象であることにも言及。紹介状なしで受診すると、一部負担金(3割負担等)とは別に「特別の料金」がかかる場合があるとし、注意を喚起している。
なお、都道府県による重点医療機関の公表は当初、2022年度中の予定だったが、地域医療構想調整会議における議論の基礎データとなる外来機能報告のスケジュールの遅れから、23年夏ごろにずれ込む見通し。重点医療機関のポスターとリーフレットのPDFデータは厚労省のホームページから入手できる。