2014年度診療報酬改定で新設された地域包括ケア病棟の機能充実に向け、研修や普及啓発を行う「地域包括ケア病棟協会」が15日、設立された。会長には芳殊記念病院(石川県能美市)の仲井培雄理事長が選出。発起人は武久洋三日本慢性期医療協会会長ら5人で事務局は日慢協内に置くが、地域包括ケア病棟は慢性期病院だけでなく急性期病院も対象となるため別団体とした。同協会は会員数300病院を当面の目標とし、急性期病院にも加入を呼び掛ける。
●「モデルになる成功事例の報告を」宇都宮課長
同日開かれた座談会では、厚労省の宇都宮啓保険局医療課長が講演し、今改定の大きなポイントとしてすべての病棟に在宅や施設等への復帰率を施設基準の要件としたことを挙げ、「入院患者の在宅復帰において地域包括ケア病棟が果たす役割についてどうあるべきか考えてほしい」と述べた。
宇都宮課長はまた、地域包括ケア病棟に求められる機能が急性期からの受け入れや在宅復帰支援に加え、2次救急対応まで多岐にわたることを踏まえ、「(同病棟は)多機能な病棟になるため、当然患者も1つのタイプでなく、地域によってもあるべき姿が大きく異なる」とし、「モデルとなる成功事例を報告してほしい」と参加者に協力を求めた。