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産科、小児科など13科は設置免除 - 2016年4月施行、既存施設は25年まで猶予 [有床診・中小病院のスプリンクラー設置基準] 

No.4705 (2014年06月28日発行) P.5

登録日: 2014-06-28

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【概要】総務省消防庁の「有床診療所・病院火災対策検討部会」は19日、新たにスプリンクラー設備の設置を義務化する3000m2未満の有床診と中小病院の施設基準案をとりまとめた。


新たな設置基準は表の通り。消防庁は、8月にも消防法施行令を改正し、2016年4月から新基準を適用する方針。ただし、既存施設に対しては、大幅な改築を要する場合を考慮し、「十分な経過措置」を設ける。この期間について同庁予防課長は、「25年6月末まで」と話している。

●3床以下の有床診は対象外
有床診で新たに設置義務の対象となるのは、病床数が4~19床の施設で、3床以下の施設は除外。4床以上であっても、前年の1日平均入院患者数が1名未満の場合は免除されるが、新築の場合は入院の受け入れが前提であるため義務化の対象となる。
中小病院では、精神・感染症・結核病床のみを有する施設が対象外となった。それ以外の施設では設置義務が課されるが、夜間でも13床当たり職員1名以上が勤務する体制があれば免除となる。この場合の職員数について同庁は、許可病床数が「60床で5名」「100床で8名」とする基準を示している。
有床診、中小病院とも、産科、小児科など特定の13診療科に該当する科名のみを標榜している施設は対象外となる。ただし、13科以外の科名を併せて標榜している場合は設置義務が課される。
また、一定面積ごとに防火戸などで防火区画を施し、内装に石膏ボードなど燃えにくい材料を用いていれば、有床診・病院とも対象から除外される。
取り付けが簡便な水道連結型スプリンクラーを認める基準も緩和。面積1000~2000m2の施設でも、手術室などスプリンクラーヘッドの設置を要しない部分が1000m2以下であれば設置可となる。

●自動火災報知器、消火器の基準もまとまる
このほか、消防へ自動通報する火災報知設備と消火器の設置をすべての有床医療機関に義務化することも決定。スプリンクラーの設置義務対象の施設には火災報知設備との連動起動化も併せて義務づける。

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