携帯電話の電波の医療機器への影響を防止できる距離の目安は1メートル─。学識経験者や総務省、厚労省、業界団体等でつくる電波環境協議会は19日、医療機関利用者向けの携帯電話の使用ルール設定の考え方をまとめた指針を公表した。
携帯電話の電波出力の低下や、医療機器の電磁的耐性に関する性能の向上など、近年、関連する状況が大きく変化してきたことを踏まえ、従来の指針を見直したもの。
指針は一般的な注意事項として、(1)離隔距離の設定、(2)マナーの観点、(3)個人情報、医療情報の保護─等に関する考え方を提示。
待合室、病室、診察室など医療機関のエリアごとの留意事項では、携帯電話が使用可能なエリアでも、使用する際の条件(離隔距離、留意事項等)の設定が必要としている。例えば、診察室では「電源を切る必要はないが、医療機器からは設定された離隔距離以上離し、診察の妨げ、他の患者の迷惑にならないよう使用を控える等の配慮が必要」と指摘している。
指針について協議会は、「新たな規制の導入ではなく、個々の医療機関が指針を参考に、それぞれの状況も考慮しながら適切な使用ルールを設定することを期待する」としている。
指針の全文は協議会ホームページ(http://www.emcc-info.net/info/info2608.html)に掲載されている。