全国医学部長病院長会議は18日、『研究者主導臨床試験の実施にかかるガイドライン』を発表した。市販後医薬品の臨床試験を行う際の基本ルールとして策定されたもので、研究者だけでなく研究機関の長の役割も明確化している。
ガイドラインでは、研究代表者への就任を回避すべき事項として、「株式の保有」や「企業役員等」などを明記。研究責任者、分担者についても、報償金の取得や資金提供者が影響力を持つ状況を避けるべきとしている。
大学長など研究機関の長は、研究の総括的な監督責任者に位置づける。その役割の1つとして、研究責任者と倫理審査委員会の間に「臨床研究管理センター(仮称)」を設置することを挙げ、統計解析者等の人材確保、研究倫理の教育・研修の実施などを求めている。
同会議利益相反検討委員会の苛原稔委員長は同日の会見で、「ガイドラインに強制力はないが、研究の透明性確保のために最低限守ってほしい事項を記載した」と述べ、到達目標としての活用を求めた。臨床研究管理センターの整備は多くの大学にとって資金面で高いハードルとなるため、「行政の支援もお願いしたい」と要望した。