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■NEWS 企業評価の後発品薬価への反映、各側が評価指標の拡大に賛意―薬価専門部会

No.5248 (2024年11月23日発行) P.71

登録日: 2024-11-15

最終更新日: 2024-11-15

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中央社会保険医療協議会薬価専門部会は116日、2025年度の薬価の中間年改定に向けた課題のうち、医薬品の安定供給などについて議論した。24年度改定時に試行的に導入された後発品企業の評価を薬価に反映させる仕組みでは、評価指標の拡大などに各側委員が前向きな姿勢を示した。

24年度からの試行的導入では後発品企業の安定供給体制等を3段階で評価。最も高いA区分に該当した企業の品目で一定の条件を満たす品目については、薬価改定時に当該品目だけの価格帯を別に設けることで、他の品目よりも高い薬価を維持できるようにした。試行的導入では採用する評価指標を一部に限定し、安定供給に関する情報の共有など準備期間が必要な指標の取り扱いは改めて検討することとしていた。

また、安定供給問題の根本的解決には、少量多品目生産という後発品企業の産業構造見直しが不可避となっている。

■少量多品目構造の見直しを企業評価の指標に追加することも論点に

この日の部会で厚労省は、(1)試行的導入では対象外となっている評価指標の活用方法とその適用時期、(2)評価結果の公表のあり方、(3)少量多品目構造の見直しについて薬価の観点から対応すべき点を評価指標に追加することの是非―を論点として提示した。

1)については25年度改定時からの薬価への反映に各側が賛意を表明。(2)では安定供給体制が整った企業を可視化し、医療現場での薬剤選択に役立てられるよう、企業名の公表を求める声が診療側から上がった。

3)では評価指標に追加すること自体への反対はなかったが、「少量多品目を一律に制限することには違和感がある。医療上の必要性があるのに単に収入が見込めないから撤退するなど、企業としての役割を果たしていない場合などとセットで検討するべきだ」(長島公之委員・日本医師会常任理事)、「まずはシミュレーションをした上で評価に加えることの妥当性を検討すべきだ」(松本真人委員・健康保険組合連合会理事)など、慎重な検討を促す意見があった。

この日は、24年度改定時に急激な原材料費の高騰などへの対応として、企業から希望のあった品目に不採算品再算定を適用した特例の取り扱いも議論。次期改定で再度特例を適用することに反対する意見や、対象品目を限定するなどメリハリの効いた対応を求める意見などが示された。

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