厚生労働省は12月18日、後発医薬品企業の安定供給体制等を評価する制度について、少量多品目構造の是正に関する評価指標などを追加した上で、すべての評価指標を用いて評価した結果を2025年度の薬価の中間年改定から薬価に反映させることを、中央社会保険医療協議会薬価専門部会に提案した。
同制度では後発医薬品企業をポイント制で評価し、合計獲得ポイントで企業をA~Cに分類。最上位のA区分の企業の品目は薬価改定時に他の企業の品目よりも高い薬価がつくよう、通常の価格帯(3価格帯)とは別に該当する品目だけの価格帯を設定する。24年度の薬価改定の際に評価指標を一部に限定して試行的に導入された。
厚労省はこの日、25年度に向けた対応として、(1)評価指標に少量多品目構造の適正化に関する指標を追加する、(2)24年度から公表を開始した評価指標(安定供給に関する情報の公表や予備対応力の確保等)を含む、全評価指標で評価を実施する、(3)中間年改定を行う場合は企業評価の結果を改定後薬価に反映させる―ことを提案。各側も賛同した。
新規追加する少量多品目構造の適正化の評価は、同一成分内のシェアが3%以下の品目が自社の全品目に占める割合を評価指標に設定。0%の場合を0ポイントとし、構成比が高いほど減点が大きくなる仕組みにする。さらに26年度の通常年薬価改定以降は企業評価の結果を厚労省ホームページなどで公表し、安定供給体制の見える化につなげる。
同日は、中間年改定の対象範囲や不採算品再算定の適用のあり方などについても議論した。改定対象範囲を決める際の乖離率の基準は、過去の中間年改定ではすべての品目に一律に適用されてきたが、厚労省は新薬や長期収載品、後発医薬品といった医薬品のカテゴリーごとに薬価差の程度や役割を考慮し、対応に差をつける案を提示。診療側は「医薬品の役割等に対応して価格乖離の大きな品目(改定対象範囲)を考えるのは合理的だ」(長島公之委員・日本医師会常任理事)と前向きな姿勢をみせたが、支払側は「新薬も含め幅広く対象範囲に含めるべきだ」(松本真人委員・健康保険組合連合会理事)など、従来の主張を繰り返した。
一方、不採算品再算定は、医療上の必要性が高い品目に対象を限定して適用する方向で概ね一致した。