日本医師会の社会保険指導者講習会が2日に開かれ、厚生労働省の宮嵜雅則保険局医療課長と神田裕二医政局長がそれぞれ講演した。
宮嵜雅則医療課長は地域医療構想を巡る私見として、「16年4月改定の時には、全国で半分も地域医療構想はできていないのではないかと思っている」との見方を示した。診療報酬の方向性が見えないと構想策定が進まないという指摘を踏まえ、「構想はあくまで地域で自主的に協議して進める。診療報酬を見ながら進めるわけではない」と強調。地域医療構想と診療報酬の関係性については、「(厚労省が)次期改定時にどう整合性をとるかというのは、時期尚早ではないか」と述べた。
神田医政局長は地域医療構想をテーマに講演。各地で策定が進む同構想における重要課題として「回復期病棟の充実」を挙げた。今後の療養病床のあり方については、「2025年の需要を見通し、慢性期入院受療率の地域差を解消していく中で、新しい医療介護サービスをどう提供するのか、少し長い目で検討していきたい」との考えを示した。