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被災地支援、補助金の官民格差と支援者連携に課題 [熊本地震]

No.4809 (2016年06月25日発行) P.13

登録日: 2016-06-25

最終更新日: 2016-12-07

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医療関係39団体で構成する被災者健康支援連絡協議会(代表=横倉義武日本医師会会長)の会合が20日に開かれ、医療団体や関係省庁が熊本地震の被災地で展開してきた医療支援活動について報告した。
出席者の報告によると、厚生労働省は「前震」翌日の4月15日に健康保険証なしでの受診を許可。総務省も担当官を現地に派遣し、罹災証明書の発行の迅速化を図るなど、東日本大震災を教訓にした対応がとられた。
日医は都道府県医師会を通じ、JMAT(日本医師会災害医療チーム)として、医療従事者約2500人を派遣。災害前から九州医師会連合会で相互支援協定が結ばれていたこと、被災地で他県医師会が支援の調整役(災害医療コーディネーター)を担うケースがあったことから、東日本大震災時と比べて支援の迅速さや医師会同士の連携で「進歩」がみられたという。
一方で課題としては、被災医療機関の復旧を支援する国の「医療施設等災害復旧費補助金」の補助率が民間医療機関2分の1、公的医療機関3分の2となっていることに関して、病院団体などから「東日本大震災時と同じ“官民格差”がある」と、是正を求める意見が相次いだ。
また、「避難所で救護活動に従事する医療関係団体の支援チームが災害医療コーディネーターの指揮下で情報共有を行ったのに対し、全国知事会から派遣された支援チームとはうまく連携できなかった」など、指揮命令系統の異なる支援チーム間の情報連携に課題がみられたことも報告された。


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