【Q】
多くの犠牲者を出した東日本大震災から,4年が経過しました。東北地方の被災者の飲酒,ギャンブルなどの嗜癖問題はどのような状況にあるのでしょうか。仮設住宅などで不自由な生活を長期に強いられ,様々な面でストレスの多い被災者にとって手軽なストレス解消法は飲酒やギャンブルになってしまうかもしれません。アルコールやパチンコなどにはまって,健康を害したり依存症になってしまう人が増えるのでないかと懸念します。国立病院機構久里浜医療センター・松下幸生先生のご教示をお願いします。【A】
過去の災害で行われた海外の調査では,災害後に被災者の飲酒量が増加することや,災害以前からアルコール問題のあった被災者では再燃・悪化する傾向があるという点で,おおむね結果が一致しています。しかし,国内では調査も少なく,災害がアルコールやギャンブルなどの嗜癖行動にもたらす影響はよくわかっていません。