医師の喫煙率は依然として低下傾向にあり、女性医師の喫煙率は0.9%まで下がったことが、日本医師会が4月2日に発表した会員喫煙意識調査結果で明らかになった。診療科別では「皮膚科」「精神科」「整形外科」などの男性医師の喫煙率が比較的高い。
同調査は、日医が会員(医師)の喫煙状況・意識を把握するため、日大医学部と共同で2000年以降4年ごとに実施。今回の調査は、無作為抽出した会員7500人を対象に2024年2~12月に行われ、4139人の医師(男性3235人、女性904人)が回答した。
喫煙率は男性医師6.9%、女性医師0.9%。男女とも2000年調査(男性27.1%、女性6.8%)以降回を追うごとに低下しており、女性医師の喫煙率はついに1%を切った。一般国民の喫煙率は2023年時点で男性25.6%、女性6.9%(2023年国民健康・栄養調査)であり、医師の禁煙意識が一般国民よりも進んでいる状況がうかがわれる。
男性医師の喫煙率が高い診療科は①皮膚科(12.1%)、②精神科(9.7%)、③整形外科(9.6%)、④外科(9.0%)、⑤産婦人科(8.2%)など。女性医師は①循環器科(4.0%)、②健診科(3.4%)、③精神科(2.0%)が比較的高い。年代別では男女とも20~39歳の喫煙率低下(男性4.8%、女性0.3%)が顕著となっている。
男性医師の喫煙者が使用するたばこ製品は加熱式たばこが増えており、使用割合は2020年の32.7%から45.7%に上昇。
今回の調査では、加熱式たばこについて質問された経験や患者への説明についても尋ねており、質問された経験は2割(20.6%)の医師があるものの、「加熱式たばこの正確な情報を患者に説明できる」と答えた医師は11.4%にとどまり、呼吸器科医でさえも説明できる医師は4割弱(38.3%)であることが分かった。
日医は調査結果を踏まえ、喫煙防止啓発活動をさらに強化していく意向だ。