日本医師会の横倉義武会長が世界医師会の次期会長に就任することが決まった。22日に台湾台北市で開催された世界医師会総会で、横倉氏に加え、中国医師会、クロアチア医師会、ナイジェリア医師会からの4人の立候補者による会長選挙が行われ、横倉氏が次期会長に選出された。
横倉氏(写真)の就任で日本人の世界医師会会長は、武見太郎氏(1975年就任)、坪井栄孝氏(2000年就任)に次ぐ3人目となる。横倉氏は就任決定を受け、26日の会見で、「大変名誉なこと。世界には政府と直接対話ができる医師会が多くあるわけではない。日本医師会は時に政府と激しく対峙しながらも国民医療を守るために活動してきた。これまでの実績が評価されたのではないか。世界で一番優れた日本の医療システムを世界に発信していきたい」と抱負を語った。会長として取り組む重点課題については、「ICT技術や人工知能の進歩をどう医療に取り入れていくか、倫理面での検討を行いながら考えていく」との方針を示した。
世界医師会は1947年に設立され、現在は112カ国の医師会が加盟。全世界の医師を代表したNGOの国際的な連合体として、医の倫理や社会医学に関するテーマについて協議を行い、政策文書等(用語解説)を採択、公開している。横倉氏の会長任期は米国シカゴで世界医師会総会が開催される2017年10月から1年間。
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