自民党は20日、日本医師会など医療団体から予算・税制に関する政策要望についてヒアリングを実施した。2016年度の与党税制改正大綱では、医療機関にとって長年の課題である控除対象外消費税について、「17年度税制改正に際し、総合的に判断し、結論を得る」と明記している。
日医は消費税への対応として、3月に会内の医業税制検討委員会が取りまとめた答申に基づき、「(現行の非課税制度を前提として)診療報酬に上乗せしたとされている仕入税額相当額を上回る仕入消費税額を負担した場合、その超過額の還付」を可能とする新たな仕組みの創設を要望した。一方、高額な医療機器購入など消費税負担の大きい病院で組織する四病院団体協議会は、要望書で「原則課税を長年要望してきた」としつつ、「直ちに医療を課税化することは困難である」と指摘。医療界の統一見解として、日医と同様に負担超過額の還付を可能とする制度創設を要望した。
日医はこのほか、負担超過額の還付制度が施行されるまでの間に医療機関が事業用固定資産を取得した場合の10%の税額控除または即時償却や、登録免許税・不動産取得税などの特例措置の創設、社会保険診療報酬の所得計算の特例措置(いわゆる四段階制)の存続を要望に盛り込んだ。