全国保険医団体連合会(保団連)は9日、全国の開業医を対象に実施した基礎調査「診療所からみえる開業医の姿」の結果を公表した。調査結果からは、開業医の1日の実働労働時間が長くなっている傾向が明らかになった。
調査は2016年9~10月に実施し、対象は保団連の医師・歯科医会員から10%(8634人)を無作為抽出。医師は5032人にアンケートを送付し、有効回答数は1517人(回収率30.1%)だった。
往診や在宅医療、調べもの、請求事務などを含む医師の1日の労働時間(図)は「7~9時間未満」が最も多く38.0%。「9~11時間未満」(27.8%)、「11時間以上」(16.4%)はそれぞれ2004年の23.4%、13.2%から増加傾向が見られる。また、1週間当たりの休日は、「1日未満」が16.1%を占めた。
直近2年間における外来患者数の変化に関する質問では、「増えた」が21.4%、「減った」が43.4%となり、4割強の開業医が患者の減少傾向を感じていることが分かった。
再審査請求については「しない」が27.5%となっているが、再審査請求の結果では、「多くが復活」が17.6%、「半分程度復活」が37.6%となっており、請求が認められるケースが一定程度あることが示唆された。