日本医師会の石川広己常任理事(写真)は1日の会見で、医療機関同士がインターネット上で安全に紹介状などを交換できるサービス「MEDPost」を4月から提供すると発表した。
石川氏によると、MEDPostは、日医標準レセプトソフトウェア“ORCA”の管理機構の新事業。日医が発行する医師資格証(用語解説)を用いて紹介状や画像ファイルを交換できるクラウドサービスで、2016年4月の診療報酬改定で新設された「診療情報提供料(Ⅰ)検査・画像情報提供加算」と「電子的診療情報評価料」の施設基準を満たすため算定が可能だ。医師資格証を所有している医師であれば初期費用は無料で、利用料は月々1000円から。
MEDPostでは送受信やクラウド上に保存したファイルが暗号化され、送受の記録も保存。送信待機時間を設定できることから誤送信を防止する。石川氏は「標準的なインターネット回線で高度なセキュリティが保たれる」と説明した。石川氏はまた、MEDPostがITによる地域医療連携の構築などを掲げた「日医IT化宣言2016」を具現化する取り組みであることを強調し、「全国の病院や診療所へ広げていきたい」との意向を示した。利用には医師資格証が必要であることから、「医師資格証の普及にもつなげたい」と述べた。