全国屈指の“ゲイタウン”、新宿2丁目からほど近い曙橋に、LGBTを含む性的少数者向けのしらかば診療所がある。院長の井戸田さんもゲイだ。
開院のきっかけは、性的少数者のために活動する任意団体「同性愛者医療・福祉・教育・カウンセリング専門家会議(AGP)」での電話相談。当事者から相談を受け、受診が必要だと感じても、安心して紹介できる医療機関がなかった。「性的少数者としての患者の悩みに理解が及ばないなど、医療提供側の問題もあるし、セクシュアリティーを知られるのが怖くて受診できないという患者側の問題もあります。そこで、AGPのメンバーで性的少数者にとって抵抗のない医療機関をつくることにしました」。診療所の名前は、明治末から大正時代に人道主義・理想主義を掲げた文芸雑誌「白樺」から付けた。
医療から遠ざかりがちな性的少数者のための取り組みの1つに、HIV、梅毒、B型肝炎の3種即日検査がある。「勇気が出ない、保健所は平日の日中しかやっていないなど、心的・物理的なバリアがあります。夜間・休日診療や、低い検査価格によって少しでも垣根を取り払いたい」
残り399文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する