厚生労働省は20日、「医療従事者の需給に関する検討会」と「医師需給分科会」の合同会議を開き、医師偏在対策の具体化に向けた議論を再開した。早期に実行可能な偏在対策は、都道府県が来年度からの第7次医療計画に盛り込めるよう、急ピッチで検討を進める。
医師需給分科会は、2024年にも医師の需給は均衡するとの推計を踏まえつつ偏在対策を検討してきたが、昨年10月、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が設置され、議論は中断。今月6日にビジョン検討会が報告書を公表したため、半年ぶりに再開された。
厚労省は、5月以降に偏在対策の論点を示し、集中的に議論する方針。医療計画には医師確保策を書き込む必要があるため、運用変更等で実行できる対策は今夏までに取りまとめ、都道府県に通知する。法改正が必要な項目については、来年の通常国会への法案提出を視野に検討する。
医師需給分科会の中間取りまとめ(昨年6月)では、検討項目として、①医師確保に関する都道府県の権限強化、②地域医療支援センターの機能強化、③女性医師の就労継続支援、④医療職の業務分担の見直し―などを提示。同様の施策はビジョン検討会報告書も言及しており、両者は多くの部分で重複する。
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