厚生労働省の「アレルギー疾患医療提供体制の在り方に関する検討会」(座長=斎藤博久国立成育医療研究センター副研究所長)が20日に初会合を開いた。来年度からの第7次医療計画にアレルギー疾患の医療提供体制を位置づけるため、6月をメドに体制整備に向けたガイドラインを取りまとめる。
会合で厚労省は、同省研究班がまとめたアレルギー疾患医療提供体制のイメージを提示。全国の中心拠点病院を成育医療研究センター、国立病院機構相模原病院とし、各都道府県に1~2カ所程度、県拠点病院を設置する。拠点病院の役割については、臨床、情報提供、研修、研究の4つを柱とした。
県拠点病院に求められる役割例としては、「アレルゲン原因同定(環境・食物・薬物等)・検査・管理」「診療所・一般病院との病診・病病連携(診療情報提供資材の共通化)」「初期臨床研修医に対する指導教育」「中心拠点との研究協力体制」などを列挙。
これに対し委員からは、「選定できない県が出ないように、マストにはすべきではない」「資源が豊富な東京や大阪と地方では違いが大きい。マストにすべき項目と推奨にとどめる項目で分けるとよいのではないか」などの意見が上がった。厚労省は委員からさらに意見を聴取した上で、次回再検討するとしている。
同検討会は、今年3月に厚労省が告示した「アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針」(用語解説)に基づいて設置された。