日本、中国、インド、豪州などの医師会が加盟するアジア大洋州医師会連合(CMAAO、用語解説)の総会が13~15日、都内で開催された。終末期における積極的安楽死の是非やアドバンス・ケア・プランニングのあり方を巡りシンポジウムが組まれ、集中討議が行われた。新会長には日本医師会の横倉義武会長が就任した。
横倉氏は就任演説で、人口の高齢化に関して「各国で高齢化の速度に違いはあるが、いずれ全ての国が直面する問題だ」との認識を提示。また、中東呼吸器症候群(MERS)などを挙げ、「グローバル化によって感染症の脅威は容易に国境を超えるようになった。新たな医療体制が求められている」と指摘した。
衛生環境の悪化、所得格差の拡大など、健康格差をもたらす「健康の社会的決定要因」にも触れ、「喫緊の対応が求められている」とした。一方で、人口の高齢化や経済発展に伴って増加する循環器疾患やがんなどの「非感染性疾患」(NCDs)に言及し、「健康長寿を実現した日本の医療システムは世界の医療のモデルになる。発信を強化し、世界の幸福に貢献したい」と語った。