厚生労働省の作業部会(西田俊朗座長)は4日、がん診療連携拠点病院等の指定要件について、十分な科学的根拠を有していない免疫療法の取り扱いを盛り込んだ今後の主な論点案を大筋で了承した。
科学的根拠が乏しい免疫療法を巡っては、一部報道で、全国の拠点病院のうち少なくとも12施設で実施されていたことが明らかになった。これを受け、3日の閣議後会見で加藤勝信厚労相が、がん診療連携拠点病院など434カ所を対象に実態調査を行うことを明言。速やかに調査を進めたいとしている。
これに対し4日の部会では、若尾文彦構成員(国立がん研究センター)が「驚くとともに評価する」とした上で、実態調査の方法を提案。具体的には、「保険診療外で実施されたものを調査対象とし、企業治験や医師主導治験、先進医療、拡大治験、患者申出療養などを含めて広めに調べることが望ましい」と指摘するとともに、「倫理審査委員会に外部の委員が含まれているかなど、院内の体制も確認した上で調査すべきではないか」との考えを示した。
厚労省は、実態調査の結果を同部会で議論した上で、来年春をメドに取りまとめる報告書に盛り込む方針。