次期診療報酬改定キーパーソンインタビューの第2回は、7月に中央社会保険医療協議会の診療側委員に就任した日本医師会の今村聡副会長。今後の中医協の議論におけるポイントを聞いた。
日医は四病院団体協議会とかかりつけ医の定義をしているが、こうした総論的な機能の話と、実際に診療報酬で評価するときの項目として地域包括診療料/加算のような外形的な内容が適切なのかという問題がある。
かかりつけ医機能の評価という観点からすると、医師が患者さんと接し話を伺った上で治療につなげていくという意味で、初診料や再診料の評価が最も重要だと思う。しかし支払側から強い反発が予想され、難しい部分がある。
かかりつけ医は自分の診ている病気以外にも、その患者さんの健康状態など、主治医より幅広い役割を期待されている。
診療報酬では治療の評価が前提になってしまうが、例えばもう少し予防を評価する視点を検討してもいいのではないか。英国では「Pay for Performance」の考えに基づき、禁煙指導や予防接種・健診の勧奨などをしっかりやった場合に報酬が支払われる。医者にとって当たり前のことではあるが、日常診療の中ですべての患者さんに徹底できているわけではない。
こういうことを丁寧に行うことがかかりつけ医の1つの機能であるのは間違いないだろう。そうなると、どの診療科であっても構わないし、重複してもいい。
この前は内科の先生に言われ、今度は整形外科の先生にも同じことを言われたとなれば、患者さんからすると「医者はみんな同じことを言う」となって、効果がある。この場合にはどちらもかかりつけ医機能を発揮したとして、評価すべきだと思う。
残り1,574文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する