政府が6月にまとめた成長戦略「未来投資戦略2017」を推進するため、内閣官房は未来投資会議構造改革徹底推進会合「健康・医療・介護」会合(会長=翁百合日本総合研究所副理事長)を設置し、27日に初会合を開いた。戦略に関係する厚生労働省、総務省、経済産業省が進捗状況を報告した。
未来投資戦略2017は、イノベーションをあらゆる産業や社会生活に取り入れることで、さまざまな社会課題を解決する「Society5.0」の実現を図るとしている。医療・介護分野では、健康寿命の延伸を目標に掲げ、その実現に向けて①データ利活用基盤の構築、②保険者・経営者による「個人の行動変容の本格化」、③遠隔診療、AI開発・実用化、④自立支援に向けた科学的介護の実現、⑤革新的な再生医療等製品等の創出促進、医療・介護の国際展開の推進―を進めるとしている。このうち④科学的介護の実現は、次期介護報酬改定で効果のある自立支援の評価を行うほか、必要なデータを収集・分析するためのデータベースの構築を来年度中に開始し、2020年度の本格運用を目指すとしている。
27日の会合で厚労省は、今月、「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」の初会合を開催したことを報告。今後のエビデンスの蓄積に向けて収集すべき情報について年度末までに整理を行うことを報告した。