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■NEWS 26年度に行う処遇改善を巡る議論に着手―社保審・介護給付費分科会

No.5291 (2025年09月20日発行) P.70

登録日: 2025-09-10

最終更新日: 2025-09-10

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社会保障審議会・介護給付費分科会は95日、2026年度に行う介護職員の処遇改善を巡る議論に着手した。国はこれまで累次の介護報酬改定や補正予算で介護事業所等の賃上げを支援したが、依然として他産業との給与格差が埋まらないことなどから、一部委員から臨時の介護報酬改定での手当を求める声が上がった。分科会は年末までに一定の結論を得ることを目指す。

処遇改善のための直近の対応としては24年度に、処遇改善関連3加算の「介護職員等処遇改善加算」への一本化と加算率の引上げ、補正予算による賃上げの支援が行われた。

「介護職員等処遇改善加算」創設にあたっての目標は24年度に2.5%、25年度に2.0%のベースアップを実現することだったが、この間の春季労使交渉では全産業の平均で2年連続5%を超える賃上げが行われており、他産業との給与格差解消には至っていない。介護関係職種の有効求人倍率も依然として高い水準で推移しており、23年の介護サービス施設・事業所調査では統計開始以来では初めて介護職員数が減少した。

26年度の処遇改善対応は26年度予算編成過程で検討事項に位置づけられており、今年6月に閣議決定された「骨太の方針2025」に他職種と遜色のない処遇改善の実現に向けて検討する旨が盛り込まれたことから、分科会で具体策を議論することになった。

この日の議論では複数の委員が26年度に臨時の介護報酬改定を実施することを求めたが、保険者代表の委員は利用者負担や保険料負担の増加につながると難色を示し、税制や補助金なども含めた幅広い財源の活用を提案した。

■厚労省の補助事業でLIFEの見直しについて検討、次期改定に反映へ

同日の分科会には科学的介護情報システム(LIFE)の見直しについて、国立長寿医療研究センターが行う厚労省の補助事業の中で具体策の検討を進めることも報告された。LIFEの中でのフィードバックのあり方や、LIFE関連加算における入力項目の整理、LIFE対象の訪問系サービス等への拡大などについて議論し、年内をメドに取りまとめを行う。その後は分科会に検討の場を移し、次期介護報酬改定に反映させる。

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