厚生労働省の「臍帯血を用いた医療の適切な提供に関する検証・検討会議」(座長=小澤敬也東大医科研病院長)が22日に初会合を開き、プライベートバンク3社に対して実地調査を行うことを決めた。
臍帯血を巡っては今年5月、経営破綻した臍帯血プライベートバンクで保管されていた臍帯血が医療機関に流出し、無届で再生医療等が提供される事案が発生した。厚労省は9月にプライベートバンクの業務実態調査を実施。業務内容の届出を求めるなどの措置を行っていた。
これを受け同会議は、①臍帯血の品質管理・安全性に関する情報提供体制が確保されているか、②契約者の意に沿わない臍帯血提供が行われない仕組みになっているか、③契約者である母親などへ正確で分かりやすい情報を提供できているか―の3つの観点から検証し、必要に応じてさらなる対策を検討するとしている。
同会議で厚労省は、措置の進捗状況を発表した。これによると、実態調査で活動が確認できたプライベートバンク7社のうち、事業の届出があったのは2社。ほか2社で現在事業を実施していないとの書面提出があり、また別の2社で今後廃業する意向の連絡があった。1社は事業の届出の準備中だという。
厚労省は、届出内容を確認するため、事業の届出があった2社と届出準備中の1社に対し、任意での実地調査の実施を提案。同会議の構成員も同行し、近く実施することが了承された。