4月からスタートする新専門医制度について日本専門医機構は16日、理事会後に会見し、専攻医の都道府県別の採用状況を公表した。全国の専攻医の人数は8409人で、最も採用人数が多いのは東京都の1825人だった。 都道府県別の採用人数は表の通り。専攻医の住所地は、基幹施設の住所地で表している。
機構は同日、4月から専攻医となる初期研修医の現在の住所地も都道府県別に公表した。それによると東京都の初期研修医は1350人。東京都の専攻医数はこれよりも475人増えることとなる。
どの都道府県の初期研修医が東京都の専攻医になったのかをみると、多い順に、東京都(1115人)、神奈川県(165人)、千葉県(132人)、埼玉県(101人)、静岡県(51人)、茨城県(34人)、栃木県(28人)─となっており、東京都以外の初期研修医の多くは関東一円から移動していた。
さらに機構は東京都の専攻医について、4月1日時点での研修場所と2年目以降の研修場所を調査していることを報告。現在、調査結果を分析中としながらも、現時点で判明している限りでは、4月1日時点で2割弱が東京都以外の地域で研修をしており、2年目以降はさらに割合が増えるとした。
こうしたデータについて松原謙二副理事長は「全国から東京都に専攻医が集まって地域医療が崩壊するということを一番心配していたが、東京に集まったのは関東一円からで、各都道府県の研修医は関連の深い地域と連携して動いている」と分析。その上で「専門医の質を高める取り組み(新専門医制度)において、地域医療に大きな変動は起きないのではないかと、この資料から読み取った」と説明した。