□心房あるいは房室接合部から上位の心臓内で,予想される洞調律の出現より早期に生じる電気興奮であり,最も頻繁に遭遇する不整脈である。診断は心電図で行われる。理学的所見や自覚症状だけで確定診断することはできない。鑑別診断は,心室性期外収縮との区別である。
□上室性期外収縮を引き金にして,発作性心房細動・粗動や発作性上室性頻拍を生じることがある。
□胸がもやもやする,脈が抜ける,胸が痛いなどと感じる。
□期外収縮が出ることで咳を生じることがある。
□心電図で,洞調律時のP波と異なる形状のP波が先行する期外収縮がみられる。
□P波の形状は洞結節から離れるにつれて洞調律時のP波と異なる。
□心房下部・冠静脈洞近傍から発生する期外収縮ではⅡ,Ⅲ,aVf誘導で陰性P波となり,左房起源の期外収縮ではⅠ,aVl,V5,V6誘導で陰性P波,V1,V2誘導で陽性P波となる。
□QRS波の形状は洞調律時のQRS波形と同様であるが,ときに変行伝導を生じて幅広のQRS波になることがある。また,上室性期外収縮によるP波が形成されても心室へ伝導しないときには,先行するT波のどこかにP波が生じて非代償性休止期だけが現れることがある。いわゆるBlocked PAC(心室へ伝導しない上室性期外収縮)と言われるが,その休止期が洞停止または洞房ブロックと間違われることがある。
□一般に心房性期外収縮では期外収縮を挟むPP間隔が洞調律時のPP間隔の2倍より短くなり,非代償性休止期と言われる1)。
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