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非ST上昇型心筋梗塞

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-12
辻田賢一 (熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学教授)
小川久雄 (国立循環器病研究センター理事長/熊本大学名誉教授)
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  • ■疾患メモ

    非ST上昇型心筋梗塞とは,不安定プラーク破綻あるいはプラークびらんに血栓形成が生じ,冠動脈の内腔閉塞をきたす急性冠症候群の1病態である。心電図上はSTの持続的上昇を示さないが,心筋に障害を認め,心筋逸脱酵素であるトロポニンT,トロポニンIあるいはCPK,CPK-MBの上昇を認める状態である(図14)

    04_19_非ST上昇型心筋梗塞

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    典型的胸痛:突然の強い胸痛が特徴的である。一般に胸痛はニトログリセリンの舌下投与では消失せず30分以上持続するが,高齢者,糖尿病患者では胸痛を自覚しないこともある。

    【検査所見】

    診断には,心電図と血液生化学検査が最も重要である。

    心電図はST低下あるいはT波の陰転化などを認めることもあるが,変化のないこともある。

    血液生化学的診断は壊死心筋より血中に流出する物質を検出するもので,従来,CKの正常上限2倍以上の上昇をもって診断していたが,新しい国際定義1)~3)では,心筋トロポニンの正常上限を上回る上昇をもって定義されている。心筋トロポニンの正常上限を超える上昇,および以下のうち1つ以上の所見がみられる場合に,急性心筋梗塞と定義する。①心筋虚血症状,②新規に起こった有意なST-T変化または完全左脚ブロック,③異常Q波の出現,④新たな健常心筋の喪失や壁運動異常を示す画像所見,⑤冠動脈造影または剖検所見での冠動脈内血栓の同定。

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