□僧帽弁開放が制限され,左房から左室への血液移動が困難となる。
□左房圧が上昇し,心拍出量も減少し,心不全を起こす。
□心房細動となる。心房細動は,一方では頻脈となり拡張時間を短縮させ,さらに心不全を悪化させ,他方では左房壁運動を低下させ,左房内血流うっ滞を生じ左房(特に左心耳)血栓となり,全身の塞栓症の原因となる。
□心不全症状(労作時動悸・息切れ・全身倦怠感)が出現する。
□塞栓症により,麻痺や構音障害もしばしばみられる。
□身体所見としては,脈拍不整,1音の亢進・心尖部拡張期ランブルが特徴的である。
□心エコーで診断する。僧帽弁の開放が制限され,左房が拡大する。
□僧帽弁狭窄症の原因は2つある。1つはリウマチ性であり,弁輪は拡大し(図1,白矢印),僧帽弁尖全体が肥厚し,可動性が低下する(図1,青矢印)。
□もう1つは変性性である。弁輪の著明な石灰化・肥厚(図2,白矢印)のために,弁輪内側サイズは著明に減少し,その先に可動性が比較的保たれた小さな弁尖(図2,青矢印)が残る。
□変性性僧帽弁狭窄症には,後述するカテーテル治療〔経皮経静脈的僧帽弁交連切開術(percutaneous transvenous mitral commissurotomy:PTMC)〕は適応できず,外科的弁置換術も困難なことが多いので,リウマチ性か変性性かを鑑別することは重要である。
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