□心臓疾患の中では,心臓腫瘍は稀な疾患である。原発性心臓腫瘍のうち3/4が良性腫瘍で,その約半数は粘液腫と言われている1)。ついで,乳頭状線維弾性腫,脂肪腫,横紋筋腫,血管腫などが挙げられる2)。
□ここでは代表的な疾患である粘液腫について述べる。
□体重減少,微熱などの全身症状のほか,腫瘍自体が心腔内を閉塞した場合,心不全症状や突然死の危険性がある。また,腫瘍が塞栓源となった場合,左心系であれば脳梗塞や心筋梗塞など,右心系であれば肺塞栓による症状がみられる。
□血液検査では特異的な所見はなく,貧血,CRP高値,赤沈亢進,IL-6上昇などを認める。診断には心エコー検査やCT,MRIが有用である。好発部位は左心房の心房中隔で,有茎性であることが特徴である(図)。
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