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アルコール性肝障害

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-26
竹井謙之 (三重大学大学院医学系研究科消化器内科教授)
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  • ■疾患メモ

    アルコール性肝障害〔alcoholic hepatopathy(liver disease)〕は,脂肪肝から肝線維症もしくはアルコール性肝炎を経て,肝硬変,肝癌への進展様式をとる。

    わが国では,アルコール消費量は漸減傾向にあるにもかかわらず,新規肝硬変患者に占めるアルコール性の割合は少しずつ増えつつある。

    アルコールに対する感受性には性差があり,女性は男性に比し少量の飲酒量(2/3程度)で肝障害が出現し,より短期間で肝硬変にまで進展する。

    アルコール依存症が基盤にあることが多い。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    脂肪肝や肝線維症の段階では症状に乏しい。アルコール性肝炎は,飲酒量の急激な増加を契機として,腹痛,発熱,白血球増加を伴って黄疸やトランスアミナーゼの上昇を呈する。

    【検査所見】

    γ-GTP上昇,AST>ALT,MCV>100fl,IgA上昇を認めた場合,本症を想起する。

    正確な飲酒歴を聴取する。アルコール依存者は飲酒自体を否認することも稀ではない。CAGEやAUDITなどのスクリーニングテストにより依存症を把握する。

    アルコール医学生物学研究会の診断基準1)に示した。

    06_06_アルコール性肝障害

    アルコール性肝障害の病型は各種肝機能検査と画像診断により診断する。

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