【質問者】中村信彦 岐阜大学医学部附属病院血液・感染症内科
【ドナー細胞を免疫することでHBV再活性化の抑制を期待する】
HBVでは感染後中和抗体であるHBs抗体が出現し,既往感染状態になっても肝臓組織の中に残存し,免疫抑制状態では再活性化を起こすことが知られています。再活性化による肝炎は時に劇症化することがあり,HBV-DNAモニタリングによる肝炎発症前の早期診断が重要です。
リツキシマブなど免疫抑制効果のある多くの抗癌剤,分子標的療法でHBV再活性化リスクがあることが知られていますが,そのほとんどは免疫力が一過性に低下する治療後1年以内に起こります。一方,同種造血細胞移植後では再活性化リスクがさらに高く,移植後数年を経ても再活性化リスクが残るため,継続したHBV-DNAモニタリングが必要となります。
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