胆囊に急性に生じた炎症性疾患。多くは胆石に起因するが,胆囊の血行障害,化学的な傷害,細菌感染,膠原病,アレルギー反応など発症に関与する要因は多彩である。
最も典型的な症状は右季肋部痛,心窩部痛であり,ついで悪心・嘔吐が多い。発熱は高頻度でなく,38℃を超える高熱の頻度は3割程度である。
血液検査で炎症反応上昇(白血球数の増加,CRP値の上昇),腹部超音波,CTで胆囊腫大,胆囊壁肥厚を認める。
中等症までの急性胆囊炎は,早期胆囊摘出術が第一選択だが,実際の臨床の場ではマンパワーの関係上,全例に対して緊急手術を行える施設は多くなく,一時的にドレナージを施行する場合が多い。近年,抗血栓薬内服中の患者が増加しており,こうした症例で急性胆囊炎を発症した場合,高度な内視鏡技術を有する施設であれば,出血のリスクを伴う経皮的ドレナージではなく,内視鏡的胆囊ドレナージを選択することがある。
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