【質問者】
小倉 健 大阪医科薬科大学病院消化器内視鏡センター教授
【学会提言の遵守と院内の環境整備,無理のない症例選択と十分なICが必要】
EUS-BDは閉塞性黄疸に対する内視鏡的逆行性胆管膵管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography:ERCP)での胆道ドレナージが困難な場合に,経皮経肝胆道ドレナージ(percutaneous transhepatic biliary drainage:PTBD)に替わる方法として普及しつつあります。一期的内瘻法であり,PTBDでは困難な拡張の乏しい胆管をも穿刺できるなどメリットが多い反面,合併症出現時には重篤ともなりうるため,導入に際しては十分な準備が必要です。
まずは関連4学会から合同で出されている「超音波内視鏡下瘻孔形成術による閉塞性黄疸治療に関する提言」1)に則って準備を進めます。術者および介助者がERCP関連手技および超音波内視鏡ガイド下穿刺(endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration:EUS-FNA)に熟練していることは必須条件です。エキスパートとなれば1人法も可能ですが,導入時には2人法のほうが安全ですので,穿刺・scope保持を行う術者以上に,ガイドワイヤー操作を行う介助者の技術が重要と言っても過言ではありません。
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