□頸椎椎間板ヘルニアは40~60歳代の男性に多く,椎間板組織が線維輪を破って後方あるいは後側方に脱出することで,頸部痛,神経根症あるいは脊髄症を呈する。
□神経根症:頸部痛,肩甲部痛,上肢痛が出現し,徐々に障害神経根領域のしびれ,筋力低下,知覚障害が生じる。
□脊髄症:手指のしびれ,巧緻運動障害が出現し,進行すれば歩行障害,膀胱直腸障害を引き起こす。
□急性期には可動域が制限され,頸部の屈曲,伸展などで頸部,肩甲部,上肢への放散痛などを伴う。
□神経根症:Jacksonテスト,Spurlingテストの陽性所見,神経根障害に伴う深部腱反射の減弱,筋力低下,分節性知覚障害などがみられる。
□脊髄症:障害髄節の深部腱反射の減弱,筋力低下,知覚障害,索路徴候としてHoffmann徴候の陽性,下肢腱反射亢進,知覚障害,膀胱直腸障害などがみられる。
□頸椎単純X線:初期には正常像のことも多いが,時間が経過すると椎間板腔の狭小化や骨棘形成なども認める。
□頸椎MRI:椎間板組織の後方への突出や脱出,神経根や脊髄の圧迫を認める(図)。
□単純X線ないしCTにより,骨棘や後縦靱帯骨化と椎間板ヘルニアとの鑑別が可能である。脊髄造影検査および脊髄造影後CT検査にて,神経根嚢像の欠損や硬膜管の圧排,脊髄の変形などが確認できる。
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