□外耳道に異物が存在することにより,耳痛,耳閉感,聴力低下などの症状をきたす。異物の摘出が基本的な治療である。
□異物が外耳道に存在することにより,耳の違和感,耳閉感,難聴,耳漏,痛みなどの症状を訴える。
□外耳道異物は有生物と無生物にわけられる。有生物では昆虫,クモ,ダニなどが多く,無生物では玩具,食物の種子,綿棒の先端,ボタン型電池など様々なものが報告されている。臨床症状に大きな差はないが,甲虫などの硬い昆虫が侵入すると激しい痛みを訴えることが多い。
□外耳道,鼓膜を詳細に観察することで診断をつけることができる。顕微鏡,拡大耳鏡による詳細な観察が望ましい。
□初めに,耳鏡を挿入せず外耳道入口部の観察を行い,引き続き患者の外耳道の入口部に最も適した最大の耳鏡で外耳道を観察する。外耳道に嵌頓している異物が確認できれば,耳介を後方,後上方に牽引することで外耳道入口部との関係を評価することができる。
□このような手技を用いても評価が困難な場合,深部における異物と周囲の状態,深部の状態を評価するためにCTによる画像検査が必要となることがある。
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