□細菌やウイルス感染により迷路に炎症が生じる。内耳炎を起こす病原体としてウイルス,細菌,リケッチア,スピロヘータ,真菌などが挙げられる。感染経路として,中耳(鼓室),脳脊髄液,血行性,顔面神経逆行性がある。化膿性内耳炎では,中耳炎の波及によって引き起こされることが最も多い。
□難聴,耳鳴,めまいを引き起こす。めまい・平衡障害は通常は改善するが,難聴は回復せず聾となることもある。髄膜炎から波及した内耳炎,血行感染による場合では全身症状もきたす。
□純音聴力検査では骨導閾値の上昇がみられる。平衡失調の有無を調べるため,眼振を観察する。最初は患側向きの刺激性眼振だが,その後は麻痺性眼振となり,機能代償とともに眼振は消失する。原疾患に対して,細菌培養(耳漏,中耳貯留液,髄液など),ウイルス抗体価をチェックする。MRIでは内耳が造影される。
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