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アレルギー性鼻炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-09-22
岡本美孝 (千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学教授)
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  • ■疾患メモ

    アレルギー性鼻炎は,鼻粘膜で生じる代表的なⅠ型アレルギー疾患である。抗原抗体反応後に好酸球をはじめ種々の炎症細胞浸潤を伴う炎症反応が鼻粘膜にみられ,アレルギー性鼻炎の重症化,遷延化に関与していると考えられている。

    好発時期から通年性と季節性(花粉症)に大別される。全国民のアレルギー性鼻炎の羅患率は40%近くに達しており1),さらに患者数は増加していると考えられている。日本におけるアレルギー性鼻炎の特徴は,スギ花粉症の占める割合が高く,かつ患者数の増加が目立つことである1)~3)。通年性アレルギー性鼻炎の多くはダニを原因アレルゲンとしている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    アレルギー性鼻炎でみられる3主徴は,くしゃみ発作,水様性鼻漏,鼻閉であるが,特に大量の花粉に曝露される花粉症では,眼症状,口腔症状,咽頭症状,皮膚症状,発熱,頭痛など,全身症状などの出現も多くみられる。

    【検査所見】

    鼻鏡検査:鼻粘膜は,通年性アレルギー性鼻炎の典型例の場合,浮腫状に腫脹して蒼白になり水性分泌液を認めるが,花粉症ではむしろ粘膜の発赤を示す症例が多い。

    Hansel染色にて容易に好酸球の浸潤の有無が認められる。アレルギーが強く疑われれば,皮膚テスト(安価で感度が良く,痛みはあるが結果は即時に判明する),血清特異IgE抗体定量(高価で敏感,痛みは少ないが結果を得るまで数日を要する)を行う。

    誘発テスト:抗原ディスクを用いて行われるが,国内ではハウスダスト,ブタクサ以外には抗原ディスクの入手は困難である。

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