□口腔癌は,舌癌,口腔底癌,上下の歯肉癌,頬粘膜癌,硬口蓋癌,口唇癌に分類される。舌癌は口腔癌で最も多く,半数以上を占め,ほとんどが扁平上皮癌である。
□飲酒,喫煙,口腔の不衛生が原因とされている。
□大多数は舌の側縁または舌腹にできる(図1)。
□症状としては舌の痛みが最も多く,ときどきチクチク感じる違和感程度の痛みから強い痛みまで,その程度には差がある。
□舌の腫瘤やでき物がみられる。
□食べ物や飲み物がしみる,舌をかみやすくなった,入れ歯が当たる。
□舌に白いものがある。
□ろれつがまわらない,しゃべりにくさを感じる。
□歯科治療中に口腔内病変を指摘されたり,上部消化管内視鏡検査の際に舌の異常を指摘されたりする。
□視診:白色病変,紅斑症,潰瘍性病変,粘膜の隆起をみる。
□触診:硬さの範囲を確認する。肥厚のみなのか凹凸が不規則にあるかなどのほか,頸部リンパ節の大きさ,硬さ,癒着の有無などをみる。
□CT:軸位断像と冠状断像が必要である。歯牙や下顎骨また智歯の治療によるアーチファクトにより描出できないこともある。単純CTに比べ造影CTが優れている。腫瘍の占拠部位と大きさ,深部筋層への浸潤,頸部リンパ節転移の有無をみる。
□MRI(図2):CTに比べ組織分解能が高く,骨や金属によるアーチファクトが少ない。特に長さ,厚さなど軟部腫瘍の占拠範囲をみる。深部への筋層浸潤の有無,皮質骨破壊や骨髄浸潤なども確認する。
□PET:原発巣,頸部リンパ節転移,遠隔転移の有無。重複癌のチェックを行う。
□NBI(narrow band imaging)観察:頭頸部領域の中・下咽頭表在癌の診断に有用性が認められている。NBI観察は,口腔癌でも有用である。
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