□呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome:RDS)は,主に早産児の呼吸障害の原因として代表的な疾患である。
□在胎期間が短いほど発症率も重症度も高くなる。
□肺の未熟性により,Ⅱ型肺胞上皮細胞から分泌される肺サーファクタントが欠乏することが疾患原因であり,治療には肺サーファクタント製剤の気管内投与が行われる。
□リスク因子としては,早産児,帝王切開で出生した児,糖尿病母体児,新生児仮死,双胎第二子,男児,などが挙げられる。
□発症・重症化予防には,出生前母体へのステロイド投与に一定の効果がある。
□早産児の出生直後,あるいは生後早期に発症する呼吸窮迫症状が主な症状である。多呼吸,呻吟,陥没呼吸,チアノーゼなどがみられる。
□適切な治療が行われない場合,無呼吸発作の頻発や気胸などの合併症を発症し,呼吸不全から死に至る。
□マイクロバブルテスト(stable microbubble test:SMT):RDSの発症を予知・診断するための迅速検査法である。羊水,あるいは胃液を検体として行う(図)。
□胸部X線:肺容量の低下と,肺野の網状細顆粒状陰影またはすりガラス状陰影,気管支透亮像(air bronchogram)が認められる。
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