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肥満症(小児)[私の治療]

No.5280 (2025年07月05日発行) P.46

室谷浩二 (神奈川県立こども医療センター内分泌代謝科部長)

登録日: 2025-07-08

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  • 肥満とは,体脂肪率が有意に上昇した状態である。小児肥満症とは,肥満に起因・関連する健康障害(医学的異常)を合併し,医学的に健康被害を軽減する治療を要する肥満を指し,疾患単位として扱う。
    肥満は,原因となる基礎疾患のない原発性肥満(従来の単純性肥満)と先天異常や内分泌疾患などの原因がある二次性肥満(従来の症候性肥満)に大別され,前者が95%を占める。
    わが国の肥満小児の頻度は,2006年度をピークに低下傾向であったが,以後も高い水準で推移し,思春期,特に男児での高度肥満の増加が問題となっている。また,COVID-19パンデミックによる生活習慣や行動様式の変化により,世界的に小児・思春期の過体重・肥満が急増した。

    ▶診断のポイント

    まず,小児肥満の判定を行い,次に肥満合併症の検索を行い,小児肥満症の診断を行う。成長曲線の作成は,二次性肥満の鑑別,肥満発症時期の推定,介入後のフォローに有用である。

    【小児肥満の判定】

    わが国では,小児肥満の判定に肥満度が用いられる。肥満度は{(実測体重-標準体重)/標準体重}×100で求める。原則として,性別・年齢別・身長別標準体重を使用して計算する。

    肥満度が+20%以上,かつ有意に体脂肪率が上昇した状態を肥満と判定する。有意な体脂肪率の上昇とは,体脂肪率が男児:年齢を問わず25%以上,女児:11歳未満は30%以上,11歳以上は35%以上を呈する場合を言う。

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