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インフルエンザ(小児)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-12
山田佳之 (群馬県立小児医療センターアレルギー感染免疫・呼吸器科部長)
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  • ■疾患メモ

    インフルエンザ(influenza)は,毎年,冬期に流行を繰り返すウイルス感染症である。高熱とそれに続く呼吸器症状がみられる。

    小児では冬期の入院の原因として重要である。学童期以降は成人と類似の症状であるが,乳児では非典型的なこともある。わが国の小児では脳炎,脳症が問題となっている。

    A(H1N1)pdm09ウイルスでは呼吸器合併症が多く,重症化もある。

    迅速抗原検査はA型,B型ともに有用であり,特異度は高い。

    治療はノイラミニダーゼ阻害薬であり,罹病期間の短縮につながる。

    抗原性が変化するため,予防接種は毎年必要である。

    ■代表的症状・検査所見1)

    【症状】

    1~4日の潜伏期を経て発症する。

    全身症状として,高熱,咽頭痛,頭痛,関節痛,続いて咳嗽・鼻汁などの呼吸器症状がみられる。

    B型ではしばしば消化器症状を認める。

    学童期以降は成人と類似の症状がみられる。乳児では全身症状は軽度のことも多く,しばしば非典型的である。

    多くは3~7日で問題なく改善する。

    欧米と異なり,わが国では脳炎・脳症の合併例が多い。

    A(H1N1)pdm09ウイルスでは重篤な呼吸不全を認めることもある。

    【検査所見】

    迅速抗原検査:鼻咽頭拭い液や鼻汁を検体として用いて15分ほどで判定が可能である。特異度は高いが,発症早期では偽陰性のこともある。

    PCR(polymerase chain reaction):A型のサブタイプ分類にはPCR検査が用いられる。通常は研究施設で行われる。

    血清診断も可能であるが,臨床現場では抗原検査が主となっている。

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