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川崎病(冠動脈病変以外)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-04-05
清水信隆 (国立成育医療研究センター器官病態内科部循環器科)
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  • ■疾患メモ

    川崎病(Kawasaki disease)は,1967年川崎富作により報告された全身の血管炎症候群である。原因はまだ明らかとはされていない。

    2010年の統計では,発症は1万2000人/年で,1歳前後がピークで3歳以下が2/3,4歳以下で80~85%を占める。1.3~1.5:1と男のほうが多い。

    冠動脈合併症の有無が最も重要で,大量免疫グロブリン療法が確立されてきた現在では,拡大,瘤形成の冠動脈後遺症を残すのは2~3%である(冠動脈病変は「§22-21参照)。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    診断は症状でなされる。診断基準は川崎病診断の手引き(表1)を参照。主要6症状のうち,5症状以上の症状を伴うもの,または4症状でも経過中に冠動脈瘤(拡大を含む)が確認されたものは川崎病と診断する。

    22_52_川崎病(冠動脈病変以外)

    4症状を認めるが冠動脈瘤がない,3症状で冠動脈瘤を認めるなど,診断基準を満たさないが,他の疾患が除外され川崎病として考えられるものを不全型川崎病と呼ぶ。これは全体の20%程度を占める。

    乳児におけるBCG部位の発赤や年長児の多房性頸部リンパ節腫脹などは,川崎病と診断するにあたって比較的特異度の高い症状である。

    【検査所見】

    強い炎症所見(左方移動を伴う白血球増加,CRP上昇),直接ビリルビンや肝逸脱酵素の上昇,無菌性膿尿,冠動脈病変以外の心合併症(心機能低下,心膜液貯留,房室弁逆流など)などは川崎病を示唆する所見である。

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