世界保健機関(WHO)は9日、西太平洋地域事務局(本部=フィリピン・マニラ)の次期事務局長選挙で、4人の候補者の中から、日本政府が擁立した医師の葛西健氏が選出されたと発表した。来年1月のWHO執行理事会で、現職のシン・ヨンス氏(韓国)の後任として正式に任命される。任期は来年2月から2024年1月までの5年間。日本人が同地域事務局長に就くのは、尾身茂氏(現・地域医療機能推進機構理事長)以来10年ぶりとなる。
葛西氏は、感染症や健康危機管理の専門家。1990年に慶大を卒業後、岩手県庁、厚生労働省、宮崎県庁、WHOベトナム代表などを経て、2014年より西太平洋地域事務局の次長と事業統括部長を兼務している。