中央社会保険医療協議会総会は17日、消費税率10%への引上げに対応するための薬価・材料価格の臨時改定について、関係業界団体からヒアリングを行った。改定の時期について、業界団体は揃って、増税と同時の「2019年10月実施」を訴えた。
薬価・材料価格の消費増税対応を巡っては、厚生労働省が9月26日の総会で「19年10月に実勢価格を踏まえた上で上乗せすることが自然」との考えを提示。一方で同省は、20年4月に通常改定を行うには19年9月の実勢価格の把握が必要となるが、10月に増税対応を行った場合、通常改定に実勢価格が反映されにくくなるとの課題も挙げ、年内に対応方針を決める日程を示している。
17日の総会で、日本製薬団体連合会など製薬関係3団体は、消費増税分を適切に薬価へ反映するには「改定時期は19年10月が妥当」と主張。今年9月に行われた実勢価格調査については、結果を増税対応以外の目的に用いないよう求めた。日本医薬品卸売業連合会も、今年9月の薬価調査結果の“目的外使用”を牽制した上で、19年10月以外に薬価改定を行った場合、「医薬品の安定供給に支障が出る」と主張。日本医療機器産業連合会など医療機器関係6団体は、特定保険医療材料の実勢価格調査が2年連続になり、「販売業者とメーカーだけでなく、医療機関にも大きな負荷がかかっている」と指摘した。
業界団体の意見を受け、診療側の松本吉郎委員(日本医師会)と今村聡委員(同)は、医薬品卸業界に対し、価格交渉の際に卸各社が統一的に薬価の税抜価格を表示するカルテルの取り組みを推進するよう求めた。