厚生労働省は18日、「医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会」(片峰茂座長)で、医師偏在指標に基づく医師多数・少数医療圏を初めて公表した。医師多数3次医療圏で最も上位だったのは東京。少数3次医療圏で最下位は岩手だった。
医師偏在指標は、現在・将来人口を踏まえた医療ニーズに基づき、地域ごと、診療科ごと、入院外来ごとの医師の多寡を統一的・客観的に把握できる、医師偏在の度合いを示す指標のこと。都道府県はこれを基に2019年度に医師確保計画を策定し、20年度から偏在対策を実施する。
厚労省は、医師偏在指標に基づき、全国の上位3分の1を医師多数3次医療圏、下位3分の1を医師少数3次医療圏と設定。医師が多数なのは、東京、京都、福岡などの16都府県。一方、医師が少数の3次医療圏は岩手、新潟、青森などの16県だった(図)。
厚労省は同日、2次医療圏を単位とした「医師多数区域」と「医師少数区域」も公表。医師多数区域のうち、最上位だったのは東京都区中央部で、医師少数区域のうち最下位だったのは秋田県北秋田だった。
なお、数値は暫定的なもので、今後、流出入を調整することで順番が前後する可能性があるという。
医師確保の方針として厚労省は、医師多数の3次、2次医療圏の場合、圏外からの医師確保を認めないとしている。医師少数の3次、2次医療圏の場合は、他医療圏から医師の確保を認める。医師多数3次医療圏に存在する医師少数区域の場合は、同じ3次医療圏内から医師を確保することが求められる。