厚生労働省の「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」(座長=北川雄光慶大教授)は12日、「がんゲノム医療拠点病院」の新設を盛り込んだ「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件」を大筋で了承した。早ければ9月にも拠点病院を指定する。
これは、今月より遺伝子パネル検査が保険収載されたことを受けたもの。今後、パネル検査を受ける患者が増えることを見据え、「自施設でがんゲノム医療を完結できる医療機関」として拠点病院を新設するとした。
がんゲノム医療を巡っては現在、ゲノム医療を牽引する機能を持つ中核拠点病院11施設と、中核拠点病院と協力してゲノム医療を行う連携病院156施設が設置されている。拠点病院は、これらの間に位置するもの。
拠点病院の要件としては、パネル検査の医学的解釈を行う専門家会議(エキスパートパネル)を月1回以上開催するなど、中核病院と同等の医療提供体制を求めるとした。一方で人材育成などについては、連携病院と同等の要件とし、中核病院への連携を求める。
厚労省は、9月にも拠点病院の指定を目指す。現在設置されている連携病院から30施設程度を選定する見込み。
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