社会保障審議会医療部会は12月9日、2020年度診療報酬改定の基本方針を了承した。11月28日に医療保険部会で了承された内容からの大きな変更点はなく、政府が目標に掲げる「全世代型社会保障」の実現や、社会保障制度の安定性・持続可能性の確保などを、改定の基本認識として明記。その具現化に向けた基本的視点では、「医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進」を重点課題に位置付けた。
基本方針が改定の基本的視点に据えたのは、▶医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進、▶患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現、▶医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進、▶効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上─の4項目。
重点項目に掲げた、医師等の働き方改革の推進の具体的方向性の例には、▶医療機関内における労務管理や労働環境の改善のためのマネジメントシステムの実践に資する取り組みを推進、▶タスク・シェアリング/タスク・シフティング、チーム医療を推進、▶救急医療体制等の評価、▶ICTを活用した医療連携の取り組みを推進─などが盛り込まれた。
基本方針は12月11日の中央社会保険医療協議会・総会に報告され、今後、基本方針の内容に沿って議論を深めていく方向性が確認された。